母との思い出

 仕事帰りは、いつも暗くなってからです。たまたま、その日は月が煌々と照っていました。そろそろ、13夜かななどと思ったら、母のことを思い出しました。私が小学校の低学年の頃は、15夜とか13夜のお月見の日はお団子を作り、ススキを飾っていました。ある年の15夜、飾るススキをとりに行くように言われました。近くの粕川の土手あたりを探しましたが、間違って葦の穂をとってかえりました。母に怒られたどうかは覚えていないのですが、もう一度ススキを一緒に採りにいきました。そしたら、やはりススキはあまりなかったのです。その年は、15夜にしては早い時期だったので、まだススキの穂が出ていなかったのです。出かかったススキの穂を母と一緒に採ってかえりました。見つからなかったのは、無理もないねと母が言ってくれたのを覚えています。そんな母も、年老いてだんだん元気がなくなり、先月亡くなってしまいました。月見団子を刻み、みたらしにしてくれた団子は、もう永久に食えないのだなと思うと感慨深いです。レシピを教わっておくんだったなと思う今日この頃です。