一万年に一回

 東北地方太平洋沖地震が千年に一度といわれています.実は,日本付近で一万年に一度起こる災害があることが知られています.それは,阿蘇カルデラを形成するような,極めて大規模な噴火です.この噴火を話題にした「死都日本」という本には,破局噴火と表現されていたので,こう呼ばれたりします.
 今回の地震は,おおよそ3万人の方が亡くなられたので,1年あたりの死者は30人くらいになります.破局噴火も,例えば鹿児島付近で起きたとすると,九州南部を焼き尽くすと考えられているので,数十万人の死者は出ます.すると,1年あたりの死者はやはり数十人となります.なぜこんなことをしたかというと,低頻度だけど被害が甚大な災害を評価するには,1年あたりの被害にひきなおすのが一つのやり方だからです.今回の地震の対策を考えるならば,同じ程度の被害が想定できる1万年に1回の破局噴火も,考えるべきではと思います.少なくとも,存在は知っていて欲しいと思っています.