とても楽しかった

 読んでいて,楽しいものでした.訳もこなれていて,なおかつ様々な話題に話が展開して,楽しかった.最後が,ゲーデルっていうのもしぶい.

 個人的には,カオスの話ももうちょっとしてほしかったです.流体が絡むことの多い地球科学は,決定論的カオスと切っても切れない縁があります.最後の理性の限界の章の対角線論法とか,自己停止問題は,コンピュータでいうところの再帰呼び出しとよく似ています.で,私は,再帰呼び出しが,カオスで出てくるパイ捏ね変換に似ているのではと思っています*1.だから,カオスに陽に触れていなくても,実はほのめかしているのかもしれませんが.

*1:根拠は無いし,証明するつもりもない