動物の異常行動

 昨夜のこの番組で,動物と地震の前の前兆行動をやっていました.論理の組み立ては,

  中越地震の前にカラスとかミミズの異常行動があった→動物は地震を予知した

と,

  室内実験で放電による電磁波を動植物に曝す→異常行動が起こる

で,動物は地震を予知したということを醸し出していました.ただ,後者の実験は,ちょっと?のものもありました.バンデグラフという,静電気を帯びた球体の放電で電磁波を作っていたのですが,当然静電場も生じます.一番ひどいのは,放電でその静電場が変わり,それによりほうれん草の葉っぱがゆらぐのを,電磁波の影響といっていたことですね.それと,水槽にアルミ箔の電極をとりつけて,電池で電流を流して金魚の行動を見ていましたが,金魚の体液の方が電気を通し易いので,電流を流せば筋肉が不随意運動を起こすのは当たり前.電極を当てて筋肉を揉むあんま機がありますが,それの強いものになっているだけ.水は誘電率が高いので,電波があまり通りません.それで,あんな実験にしたのでしょうね.
 説明も,静電場と電磁波の説明が混乱していました.
 
 で,ノイズの多い動物の異常行動で電磁波を検出するくらいなら,直接観測すればいいのにと思ってしまいます.バンデグラフの放電なら,たぶんAMラジオで観測できます.高校生の頃,AMラジオで雷の接近を観測していましたから.パルス上の電磁波*1は,いろんな周波数成分を含みますので,ラジオで音を聞いていればわかるのです.

#カラスはともかく,中越地震の前のミミズは,たぶんその前の大雨で地中から出てきたものだと思う.雨の翌朝,ミミズがアスファルトの上によくいます.

*1:地震波といいかえても同じ.フーリエ変換と超関数のデルタ関数を知っていれば,簡単にわかる