地震のマクロとミクロ

 昨夜は,夜勤でした.岩波の科学に地震に関する特集記事が載っており,それを読みながら過ごしました.そうすると,いろいろな想念が湧いてきます.この記事に,いままでになく詳細なデータが得られたと書かれていますが,まだまだマクロな情報に過ぎません.地震の断層の広がりは,マグニチュード9から0くらいまで,長さでいうと10^3kmから1mくらいまでかわります.規模の分布を見る限り,このくらいまで同じ法則(グーテンベルグ−リヒター則)が適用できそうなので,地震には共通の性質をもっていると考えていいはずです(実はちょっと乱暴).これだけスケールが違うと,シミュレーションでもミクロな断層の課程を実現できない.おまけに,mオーダーの現実の断層の状態は調べようがありません.破壊実験とか断層岩の解析でも,cmとかせいぜいmオーダーしかなく,おまけに現実とは異なる.してみると,実に大変なことに挑戦しているんだなぁと,つくづく思いました.