余震活動の性質

 昨日も,ずっと地震波形をにらんでいたわけですが,当地松代周辺で記録される地震のなかで東北太平洋地震の余震の割合はかなり減りました.半分くらいは,栄村の地震の余震でした.そして,誘発された地震がパラパラと混じり,飛騨山脈とか牛伏寺断層沿いとか群馬−栃木県境とか茨城県北部(プレート沿いの余震の他に浅い地震が誘発されている)がありました.
 このように,余震は,時間とともに減ります.東北太平洋地震でも,マグニチュード5以上の余震は順調に減っています.でも,粒の大きい地震は,しばらく注意が必要です.最低1ヶ月,地震の規模を考えると,1年くらいは注意が必要かもしれません.それと,大きな余震は,長方形の震源域の端でしばしば起きます.1983年日本海中部地震マグニチュード7.7)では,破壊が南から北に進んだのですが,約1ヶ月後北の端でマグニチュード7.1の余震が起きました.1994年三陸はるか沖地震マグニチュード7.6)では,プレートの沈み込みに沿って東から西に破壊が進んだのですが,約10日後に本震の西の端でマグニチュード7.2の最大余震が起きました.したがって,北の端と南の端に注意が必要になります.でも,北の端は三陸はるか沖地震で破壊されているので,常識的には南の方すなわち銚子沖の南の危険性が高いです.規模は,平均的には本震から1を引いたくらいが最大です.上記の二つの例は,それより規模が大きいものが起きています.ですので,最大マグニチュード8くらいの余震もあるかと思います.